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新着情報

「体重が減らなくても糖尿病は予防できる」最新研究が示す新常識 | 173総合内科クリニック


はじめに

「糖尿病予防には減量が必須」―これまでの常識が、最近の研究によって大きく変わろうとしています。

米国では3人に1人が糖尿病予備軍と言われ、日本でも約1,000万人が該当すると推定されています。糖尿病予備軍の方の約70%が生涯のうちに糖尿病を発症するとされており、予防対策は極めて重要です。

2025年にNature Medicine誌に掲載された最新研究では、体重減少を伴わなくても血糖値を正常化できれば、将来の糖尿病リスクを70%も低減できるという驚きの結果が報告されました。

本コラムでは、この研究結果の詳細と、173総合内科クリニックのオンラインダイエット外来でどのような科学的アプローチが可能かをご説明します。


研究の概要:体重減少なしでも糖尿病予防は可能

研究対象と方法

ドイツ・テュービンゲン大学のAndreas Birkenfeld教授らの研究チームは、糖尿病予備軍1,105名を対象に、生活習慣介入による糖尿病予防効果を調査しました。

特に注目されたのは、1年間の生活習慣介入後に体重減少は達成できなかったものの、血糖値が正常化した234名のグループです。

驚くべき研究結果

このグループのうち、51名が体重減少なしで血糖値の正常化(糖尿病予備軍からの離脱)を達成しました。

追跡調査の結果、この51名は平均約5年間の追跡期間中、血糖値が正常化しなかった183名と比較して、糖尿病発症リスクが70%低減していることが判明しました。

この結果は、体重減少だけでなく、血糖値のコントロール自体が糖尿病予防において極めて重要であることを示しています。


なぜ体重が減らなくても効果があるのか?

1. インスリン感受性の改善

血糖値が正常化した方々では、筋肉・肝臓・脂肪組織におけるインスリンへの反応性(インスリン感受性)が向上していました。

インスリン感受性が高まることで、同じ量のインスリンでもより効率的に血糖値を下げることができます。

2. 膵臓β細胞機能の向上

血糖値を下げるホルモンであるインスリンを分泌する膵臓のβ細胞の機能が改善されていました。

これにより、食後の血糖値上昇に対して適切な量のインスリンが分泌されるようになります。

3. 脂肪の「質」と「配置」の変化

最も興味深い発見は、体脂肪の総量は変わらなくても、その分布パターンが変化していたという点です。

当クリニックでは体組成計INBODY380とフィブロスキャンによる体脂肪・内蔵脂肪・脂肪肝の検査を行っております。(保険診療)


脂肪の「場所」が運命を分ける:内臓脂肪vs皮下脂肪

内臓脂肪のリスク

内臓脂肪は、胃・肝臓・腸などの臓器周囲に蓄積する脂肪です。

内臓脂肪の問題点:

  • 炎症性サイトカインを分泌
  • インスリン抵抗性を悪化させる
  • 糖尿病・心血管疾患のリスク上昇

研究では、血糖値が正常化しなかったグループでは内臓脂肪が増加していました。

皮下脂肪の保護作用

一方、皮下脂肪は皮膚の下に蓄積する脂肪で、比較的健康的とされています。

皮下脂肪の特徴:

  • アディポネクチン(抗炎症ホルモン)を分泌
  • インスリン感受性を改善
  • 代謝的に有利な脂肪組織

血糖値が正常化したグループでは、皮下脂肪が増加する一方で内臓脂肪は増加せず、アディポネクチン値も上昇していました。

つまり、同じ体重・体脂肪率でも、脂肪の「つき方」によって健康への影響が大きく異なるのです。


今日から始められる科学的アプローチ

1. 有酸素運動で内臓脂肪を減らす

推奨される運動:

  • ウォーキング、ジョギング、水泳など
  • 週150分以上の中強度運動
  • 1日30分×週5回が目安

有酸素運動は特に内臓脂肪の減少に効果的で、抗炎症作用やインスリン感受性向上も期待できます。

2. 筋力トレーニングで代謝を改善

推奨される運動:

  • 週2-3回のレジスタンストレーニング
  • スクワット、腕立て伏せ、ダンベル運動など

筋力トレーニングは、有酸素運動と組み合わせることで血糖コントロールをさらに向上させます。

3. 食事の質を変える

地中海食のポイント:

  • 全粒穀物、野菜、果物を中心に
  • オリーブオイル、ナッツ、魚などの良質な脂質
  • 加工食品、砂糖、飽和脂肪酸を控える

DASH食のポイント:

  • 野菜、果物、低脂肪乳製品を多く
  • 全粒穀物、魚、鶏肉、豆類を適量
  • 塩分、赤身肉、甘い飲料を制限

ファスティングの導入

  • 食べない時間を作り、内臓脂肪を燃やす。これが最短距離です。

これらの食事パターンは、内臓脂肪の蓄積を抑え、血糖値改善に効果的であることが複数の研究で示されています。

4. 睡眠の質を改善する

不十分な睡眠は血糖値の乱れやインスリン抵抗性を悪化させます。

  • 7-8時間の睡眠を確保
  • 規則正しい就寝・起床時間
  • 就寝前のブルーライト制限
  • 寝酒をやめる

5. ストレス管理

慢性的なストレスはコルチゾール(ストレスホルモン)を増加させ、血糖値を上昇させます。

  • マインドフルネス・瞑想
  • 趣味やリラックスタイムの確保
  • 適度な運動

173総合内科クリニックのオンラインダイエット外来

当クリニックでは、この最新研究の知見を踏まえた科学的アプローチで、持続可能な健康管理をサポートしています。予備軍の方は、保険診療で治療できませんので、ダイエット外来をご利用ください。

当院の特徴

1. 医師による個別化された指導 患者様一人ひとりの血液検査データ、生活習慣、既往歴を詳細に分析し、最適なプログラムを設計します。

2. オンライン完結の利便性 お仕事や育児で忙しい方も、ご自宅から診療を受けていただけます。通院の負担なく、継続的なケアが可能です。

3. 科学的根拠に基づいたプログラム 最新の医学研究に基づいた食事療法・運動療法を提案。エビデンスのある方法で確実に成果を目指します。

4. LINEによる継続サポート 日々の食事や運動の記録、疑問点などをLINEで気軽にご相談いただけます。継続的なモチベーション維持をサポートします。

こんな方におすすめです

  • 健康診断で血糖値異常・HbA1c高値を指摘された方→保険診療
  • 糖尿病予備軍と診断された方→自費診療(ダイエット外来)
  • 体重は減らないけれど健康になりたい方→自費診療(ダイエット外来)
  • 自己流ダイエットで何度も失敗している方→自費診療(ダイエット外来)
  • 医学的根拠のある方法で取り組みたい方→自費診療(ダイエット外来)
  • メタボリックシンドロームを改善したい方→保険診療・自費診療(ダイエット外来)

まとめ:数字より「質」を変える時代へ

今回ご紹介した研究は、糖尿病予防における新しいパラダイムを提示しています。

重要なポイント:

✅ 体重減少だけが目標ではない

✅ 血糖値の正常化が極めて重要

✅ 脂肪の「配置」が健康を左右する

✅ 内臓脂肪を減らし皮下脂肪へシフト

✅ 生活習慣の質的改善が鍵

「体重計の数字」に一喜一憂するのではなく、体の「質」を変えるアプローチが、持続可能で効果的な健康管理につながります。

173総合内科クリニックでは、医療の専門性と最新の科学的知見を活かし、患者様お一人おひとりに寄り添った診療を提供しております。

糖尿病予備軍・血糖値異常でお悩みの方、健康的な体づくりを科学的にサポートしてほしい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

▼オンラインダイエット外来の詳細・ご予約はこちら https://173clinic.jp/online_diet/


監修:173総合内科クリニック 院長 稲見光春

※本コラムは医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。個々の症状や治療方針については、必ず医師にご相談ください。