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新着情報

脂肪肝は治る?最新研究が示す治療の可能性と今日からできる対策

はじめに

健康診断で「脂肪肝」と指摘されたことはありませんか?「お酒を飲まないから大丈夫」と思われるかもしれませんが、実は非アルコール性の脂肪肝は世界中で増加しており、現在では成人の約38%が罹患していると報告されています。

この記事では、脂肪肝の基礎知識から最新の研究動向、そして今日から始められる対策まで、173総合内科クリニックの医師の視点から詳しく解説します。


目次

  1. 脂肪肝とは?MASLD(非アルコール性脂肪肝疾患)の基礎知識
  2. 脂肪肝が引き起こす健康リスク
  3. 最新研究:心臓治療薬が脂肪肝改善に効果を示す可能性
  4. 脂肪肝の診断方法
  5. 今日からできる脂肪肝対策
  6. 173総合内科クリニックのオンラインダイエット外来について

1. 脂肪肝とは?MASLD(非アルコール性脂肪肝疾患)の基礎知識

脂肪肝の定義

脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積した状態を指します。医学的には、肝細胞の5%以上に脂肪滴が認められる場合に脂肪肝と診断されます。

MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)とは

従来「非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)」と呼ばれていた疾患は、2023年より**MASLD(Metabolic dysfunction-Associated Steatotic Liver Disease)**という新しい名称に変更されました。

MASLDの特徴:

  • アルコール摂取量が少ない(男性:週210g未満(ビール中瓶8.4本)、女性:週140g未満(ビール中瓶5.6本)
  • 肥満、糖尿病、脂質異常症などの代謝異常を伴う
  • 肝臓に脂肪が蓄積している状態

増加する脂肪肝患者

世界的に見ると、成人の**約38%**がMASLDに罹患しており、その数は年々増加傾向にあります。日本でも生活習慣の欧米化に伴い、患者数は増加の一途を辿っています。


2. 脂肪肝が引き起こす健康リスク

初期段階では症状がほとんどない

脂肪肝の最も危険な点は、初期段階ではほとんど自覚症状がないことです。そのため、健康診断で指摘されても「痛くないから大丈夫」と放置してしまう方が少なくありません。肝機能の数値正常でも進んでいることがあります。

進行すると重篤な疾患に

脂肪肝を放置すると、以下のような疾患に進行する可能性があります:

1. 非アルコール性脂肪肝炎(MASH)

  • 肝臓に炎症が起こる状態
  • 肝細胞の破壊が進む

2. 肝線維症

  • 肝臓が硬くなり始める段階
  • この段階であれば改善の可能性が残されています

3. 肝硬変

  • 肝臓が硬くなり、機能が大幅に低下
  • 元の状態に戻すことが困難に

4. 肝がん

  • 肝硬変から肝がんへ進行するリスクが高まる
  • 生命に関わる重篤な状態

心血管疾患のリスクも上昇

脂肪肝は肝臓だけの問題ではありません。MASLDの患者様は以下のリスクも高まることが知られています:

  • 心筋梗塞
  • 脳卒中
  • 動脈硬化
  • 高血圧
  • 2型糖尿病

これらは脂肪肝と共通のリスク因子(肥満、インスリン抵抗性、脂質異常症など)を持つためです。


3. 最新研究:心臓治療薬が脂肪肝改善に効果を示す可能性

画期的な研究結果

2025年、スペインのバルセロナ大学の研究チームが、心臓病治療に使用される2つの薬剤が脂肪肝の改善に効果を示す可能性があることを発表しました。

研究対象となった2つの薬剤

1. テルミサルタン(血圧降下薬)

  • 分類:アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
  • 主な作用:血圧を下げる
  • 脂肪肝への効果:肝臓での脂質合成経路に作用

2. ペマフィブラート(脂質異常症治療薬)

  • 分類:フィブラート系薬剤
  • 主な作用:血中脂質を低下させる
  • 脂肪肝への効果:脂質の分解を促進

研究の詳細

研究では、ラットとゼブラフィッシュの2つの動物モデルを使用:

ラットモデル:

  • 高脂肪食+10%フルクトース【果糖】溶液を2ヶ月間摂取
  • その後1ヶ月間、薬剤を投与
  • 結果:両薬剤とも肝臓の中性脂肪を効果的に減少

重要な発見: 通常量の半分ずつを併用しても、単剤と同等の効果が得られることが確認されました。これは副作用のリスクを低減できる可能性を示唆しています。

相補的なメカニズム

2つの薬剤は異なるメカニズムで作用します:

  • ペマフィブラート:脂質の分解(異化)を促進
  • テルミサルタン:肝臓での脂質合成を抑制

この相補的な作用により、併用することでより効果的に肝臓の脂肪を減少させることができると考えられています。

臨床応用への期待と課題

この研究は動物実験の段階であり、人間への効果を確認するにはさらなる臨床試験が必要です。

今後必要とされる研究:

  • より多くの患者様を対象とした臨床試験
  • 長期的な効果と安全性の確認
  • 肝生検や画像診断による客観的な評価

薬剤転用のメリット

既に心血管疾患の治療薬として使用されているため、以下のメリットがあります:

✓ 安全性プロファイルが確立されている ✓ 開発コストを抑えられる ✓ 承認までの期間が短縮できる可能性 ✓ 脂肪肝患者様に多い心血管疾患リスクにも対応


4. 脂肪肝の診断方法

血液検査

健康診断で最初に異常が見つかるのは血液検査です。

主な指標:

  • AST(GOT)、ALT(GPT):肝細胞の障害を示す
  • γ-GTP:胆道系酵素
  • 血糖値、HbA1c:糖代謝の状態
  • 中性脂肪、コレステロール:脂質代謝の状態

ただし、これらの数値が正常でも脂肪肝が存在することがあります。

画像診断

腹部超音波検査(エコー) 当院で採用しています!!

  • 最も一般的な検査方法
  • 非侵襲的で繰り返し検査が可能
  • 脂肪肝の有無を判定

CT検査

  • より詳細な評価が可能
  • 脂肪の蓄積度を定量的に評価

MRI検査

  • 最も精密な評価が可能
  • 脂肪量の定量化が可能

FibroScan(肝弾性度測定) 当院で採用しています!!

  • 肝臓の硬さを測定
  • 線維化の進行度を非侵襲的に評価
  • 繰り返し検査が可能で経過観察に有用

5. 今日からできる脂肪肝対策

エビデンスに基づく体重管理

研究によると、脂肪肝の改善には体重管理が最も効果的であることが示されています。

体重減少と効果:

  • 3〜5%の減量:脂肪肝の改善が期待できる
  • 7〜10%の減量:肝線維化の改善も期待できる

例:体重70kgの方の場合

  • 3%減 = 約2kg減
  • 5%減 = 約3.5kg減
  • 10%減 = 約7kg減

食事療法のポイント

1. カロリー制限

  • 1日の摂取カロリーを適切に設定
  • 急激な減量は避け、月1〜2kgペースを目標に

2. 糖質の適正化

  • 精製された糖質(白米、パン、麺類)を控えめに
  • 特に果糖(フルクトース)の摂取に注意
  • 清涼飲料水、果糖ぶどう糖液糖を含む食品を避ける

3. 良質なタンパク質の摂取

  • 魚、大豆製品、鶏肉などを積極的に
  • タンパク質は筋肉量維持に重要

4. 食物繊維の摂取

  • 野菜、海藻、きのこ類を十分に
  • 食後の血糖上昇を緩やかに

5. 不飽和脂肪酸の活用

  • オメガ3脂肪酸(青魚、亜麻仁油など)
  • オリーブオイルなどの良質な油

運動療法

有酸素運動

  • ウォーキング、ジョギング、水泳など
  • 週150分以上を目標に
  • まずは週3回、1回30分から

レジスタンストレーニング(筋トレ)

  • 筋肉量を増やすことで基礎代謝が向上
  • 週2〜3回が推奨
  • 無理のない範囲で継続

日常生活での活動量増加

  • エレベーターより階段を使う
  • 一駅分歩く
  • 家事を積極的に行う

生活習慣の改善

十分な睡眠

  • 1日7〜8時間の睡眠を確保
  • 睡眠不足はインスリン抵抗性を悪化させる

ストレス管理

  • 慢性的なストレスは代謝に悪影響
  • リラックスできる時間を持つ

禁煙

  • 喫煙は肝線維化を促進する可能性

定期的な検査

  • 年1回は健康診断を受診
  • 異常値があれば医療機関を受診
  • 画像診断で定期的に評価

6. 173総合内科クリニックのオンラインダイエット外来について

なぜ医師の指導が必要なのか

脂肪肝の改善には体重管理が重要ですが、自己流のダイエットでは:

❌ 極端な食事制限で栄養不足に

❌ リバウンドを繰り返す

❌ 基礎疾患を見逃す可能性

❌ 継続できずに挫折

医師の指導のもとで適切に減量することで、安全かつ効果的な改善が期待できます。

オンライン診療のメリット

1. 通院不要で自宅から受診

  • スマートフォンやパソコンで診察
  • 移動時間・待ち時間ゼロ
  • 全国どこからでも受診可能

2. 医師による個別プラン

  • 一人ひとりの状態に合わせた食事・運動指導
  • 既往歴や現在の健康状態を考慮
  • 無理のない目標設定

3. 定期的なフォローアップ

  • 継続的なサポートで挫折を防ぐ
  • 体重や検査値の変化を一緒に確認
  • 必要に応じてプランを調整

4. 適切な薬物療法の提供

  • 必要に応じて科学的根拠のある薬剤を処方
  • 副作用のモニタリング
  • 安全性を確保しながらサポート

173総合内科クリニックの特徴

✅ 内科専門医による診察

  • 総合的な健康状態を評価
  • 合併症のリスク管理

✅ エビデンスに基づいた治療

  • 最新の医学的知見を活用
  • 科学的根拠のある方法をご提案

✅ 継続しやすいサポート体制

  • オンラインで気軽に相談
  • ライフスタイルに合わせた提案

✅ プライバシーへの配慮

  • 安心して相談できる環境
  • オンラインならではの利便性

こんな方におすすめ

☑ 健康診断で脂肪肝を指摘された

☑ 肝機能の数値が気になる

☑ メタボリックシンドロームと診断された

☑ 自己流ダイエットで失敗した経験がある

☑ 忙しくて通院する時間がない

☑ 医師の指導のもとで安全に痩せたい

☑ リバウンドせずに体重を維持したい

診療の流れ

Step 1:初回相談(オンライン)

  • 現在の健康状態のヒアリング
  • 検査データの確認(あれば)
  • 治療方針のご説明

Step 2:個別プランの作成

  • 目標体重の設定
  • 食事・運動指導
  • 必要に応じて薬剤処方

Step 3:定期フォローアップ

  • 経過観察
  • プランの調整
  • モチベーション維持のサポート

Step 4:目標達成後の維持

  • リバウンド予防
  • 生活習慣の定着
  • 長期的な健康管理

まとめ

脂肪肝は「よくある」疾患ですが、決して「放置してよい」疾患ではありません。初期段階では症状がほとんどないため、健康診断で指摘されたら必ず医療機関を受診することが大切です。

最新の研究では、既存の心臓治療薬が脂肪肝改善に効果を示す可能性が報告されており、今後の治療選択肢の拡大が期待されています。しかし現時点では、体重管理を中心とした生活習慣の改善が最も効果的で確実な方法です。

173総合内科クリニックのオンラインダイエット外来では、医師の専門的な指導のもと、安全かつ効果的に体重管理を行うことができます。「自分一人では続かない」「正しい方法がわからない」という方も、医師と二人三脚で取り組むことで、無理なく目標達成を目指せます。

脂肪肝を指摘された方、メタボリックシンドロームが気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。


よくある質問(FAQ)

Q1. 脂肪肝は完全に治りますか?

A. 初期段階の単純性脂肪肝であれば、適切な生活習慣改善により正常な状態に戻る可能性があります。体重を3〜5%減少させることで、肝臓の脂肪蓄積が改善されることが研究で示されています。ただし、肝硬変まで進行した場合は完全に元の状態に戻すことは困難です。早期発見・早期対策が重要です。

Q2. お酒を飲まないのに脂肪肝になるのはなぜ?

A. 脂肪肝の原因はアルコールだけではありません。肥満、糖尿病、脂質異常症、過剰な糖質摂取(特に果糖)などが原因で発症するのがMASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)です。現代の生活習慣や食生活の変化により、お酒を飲まない方でも脂肪肝になることがあります。

Q3. 脂肪肝の治療に薬は必要ですか?

A. ファスティングが一番のおすすめ治療です。現時点では、軽度〜中等度の脂肪肝に対しては生活習慣改善が第一選択です。ただし、糖尿病や脂質異常症などの合併症がある場合、それらの治療薬が結果的に脂肪肝の改善にも寄与することがあります。医師の判断により、個々の状態に応じた適切な治療が選択されます。

Q4. どのくらいの期間で改善しますか?

A. 個人差がありますが、適切な食事療法と運動療法を継続することで、3〜6ヶ月程度で血液検査や画像検査での改善が見られることが多いです。体重減少のペースは月1〜2kg程度が理想的で、急激な減量は避けるべきです。

Q5. 運動が苦手なのですが大丈夫ですか?

A. まずは日常生活での活動量を増やすことから始めましょう。エレベーターの代わりに階段を使う、一駅分歩くなど、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけることが大切です。173総合内科クリニックでは、お一人おひとりの体力や生活スタイルに合わせた運動指導を行っています。

Q6. オンライン診療でも効果はありますか?

A. オンライン診療でも対面診療と同等の効果が期待できます。むしろ、通院の負担がないため継続しやすく、定期的なフォローアップがしやすいというメリットがあります。当クリニックでは、必要に応じて検査データの提出をお願いし、総合的に評価しながら治療を進めていきます。