173コラムダイエット生活習慣病
抗肥満薬「アライ」（一般名オルリスタット）
3月になるとダイエット外来でも処方されている「ゼニカル」が、抗肥満薬「アライ」（一般名オルリスタット）として、処方箋がなくても薬局で買える薬として承認されます。
2013年に武田薬品から類似薬である抗肥満薬オブリーン錠（一般名：セチリスタット）が薬事承認されましたが、肥満症を効能とするものの、体重変化率は約２％程度で心血管イベントの発症抑制が示されていないなど、保険医療上の必要性について十分な説明がなされていないと指摘され、発売中止になった経緯があります。
使用上の注意として、1食当たり12ｇの脂肪量（1日40ｇまで）に脂肪制限し、その25-30％程度脂肪が吸収阻害ができるだけなので、牛サーロイン100ｇ（脂肪含有量42ｇ）・マック ビッグマック（脂肪含有量28ｇ）やチーズバーガー（脂肪含有量13.4ｇ）でもオーバーしてしまいます。
そもそも脂質制限できるのであれば、この薬が必要ないのでは？と思ってしまいます。
当然ですが、食事制限をされた上での臨牀試験1か月で外国データでは4.8ｋｇ減量できているようですが、3か月がピークで7.2ｋｇ。4年間継続内服での追跡調査では5.8ｋｇであったようです。贔屓目にみても、使用は3か月までが妥当と思います。