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糖尿病はコントロールする病気です!(治療編②食事療法)

糖尿病の治療の目的は、高血糖を是正することで、合併症の発症・進行を予防することになります。血糖コントロールの方法は、食事療法、運動療法、薬物療法の三つが柱となります。

食事療法

 糖尿病なら、食事療法は絶対に必要です。今はやりの糖質制限はそもそも糖尿病のコントロールのために編み出された食事療法です。以前はカロリーコントロール(カロリー制限)が主体でしたが、米国糖尿病学会(ADA)のガイドラインに記載されているように脂質やタンパク質の摂取で直接血糖が上がらないことがわかってきたので、必ずしも粗食にする必要がなく、糖質オフを心がけることが重要であることがわかってきました。(ただし、腎不全の方は別です

 米国糖尿病学会(ADA)のガイドライン 食事療法・運動療法・肥満管理(抜粋)

  1.  血糖を上昇させるのは糖質のみである。
  2.  糖質は数分~120分で100%血糖に変わる。
  3.  蛋白質は血糖値を上昇させない。(間接的には上昇します)
  4.  脂肪は血糖値を上昇させない。(間接的には上昇します)
  5.  肥満糖尿病患者(BMI30以上のかた)には、エネルギー摂取制限(体重に合わせて500-750kcal/日減少)と生活習慣改善による体重減少(>5%)は血糖・脂質・血圧に対し効果がある。
  6.  総エネルギーの適正化。総エネルギーが同じなら栄養素率は異なっていても効果は同じである。誰にでも当てはまるような三大栄養素の理想的な割合はない。        糖質から50%とるということは、何のエビデンスもありません。
  7.  低炭水化物食(糖質制限)は短期的には血糖コントロール改善に役立ち、投薬を減らせる可能性がある。しかし、長期継続は困難で大半の人は元の栄養バランスに戻り、効果は持続しないため、この食事療法に興味がある人には定期的な個別化指導が重要である。
  8.  蛋白質摂取量も個別化する。ただし、糖尿病性腎臓病を合併している場合は0.8g/kg/日が推奨される。
  9.  脂質は全エネルギーの20-35%とすることが推奨される。脂質摂取は量より質が重要で、飽和脂肪酸エネルギー制限が推奨される。n-3脂肪酸(オメガ3)のサプリメントは血糖コントロール改善や心血管疾患リスク低下につながらない。           無駄なサプリにお金をかけるのはやめましょう。

最近では、糖尿病の治療に配慮されたレトルト食品、カロリー計算された食事・食材の宅配、栄養計算が簡単にできるPCやスマートフォンのアプリなどが出ています。

 

 

 

炭水化物の摂取

・食事の炭水化物の摂取量を管理することは、血糖コントロールを改善する有効な戦略となる。(グレードB)

・炭水化物は野菜、果物、全粒粉、豆類、乳製粉などに含まれる。炭水化物量に加え、脂質、ナトリウム(塩分)を適切に管理することが食事療法の目的となる。(グレードB)

             根菜類(ごぼう、れんこん、玉ねぎ、人参、ゆり)・主食となりうる 米・とうもろこし・小麦・イモ類(さつまいも、じゃがいも、里いも)

             やかぼちゃの摂取量に注意!!

・炭水化物が同量であれば、食品を代えても血糖値への影響は変わらない。食事全体のエネルギー摂取量を管理し、過剰摂取を避けることが求められる。(グレードA)

             GI値が低くても、食べ過ぎたらおんなじですよ!

・糖尿病の人は、体重増加や心血管疾患の悪化を防ぐために、高カロリーの糖質や甘味料を制限するべきだ。それらには果糖コーンシロップや精製白糖なども含まれる。(グレードB)

             甜菜(てんさい)糖・オリゴ糖は体に吸収されないので、炭水化物量やカロリーとしてカウントしませんが、

              取りすぎると軟便や下痢になります。

 

脂質の摂取

・糖尿病患者にとって理想的な脂質の摂取量を示したエビデンスはない。脂質の摂取については、個々の患者に合わせて指導されるべきだきだ。脂質は量よりも質が重要となることもある。(グレードC)

・不飽和脂肪酸の多くとる地中海式食事法が、2型糖尿病患者の血糖コントロールを改善し、心血管疾患のリスクを下げるという研究が報告されている。脂質を抑え糖質の多い食事パターンが勧められる。(グレードB)

・魚に含まれるn-3系脂肪酸(EPAとDHA)や、植物油に含まれるα-リノレン酸(ALA)に、心臓病の予防効果があると報告されている。これらは糖尿病の人にも勧められる。(グレードB)

食事療法(サプリメント)

ビタミンE・Cやカロテンといった抗酸化物質のサプリメントの長期の安全性と効果は確かめられていない。これらのサプリメントを糖尿病患者には推奨しない。(グレードA)

n-3系脂肪酸(EPAとDHA)のサプリメントが心血管疾患の予防に効果的というエビデンスはないので、糖尿病患者には勧めない。(グレードA)

 

塩分(ナトリウム)

・1日の塩分(ナトリウム)量を5.8g(2,300mg)未満に抑えることが勧められる。塩分摂取量を減らすことは、糖尿病と高血圧の治療でも重要となる。(グレードB)

2型糖尿病の予防

・将来に2型糖尿病を発症するリスクが高い人には、生活スタイルの変更が勧められる。食事を管理しカロリーと脂質を抑えて、体重の7%を減らすことと、週に150分の中強度の運動を続けると、糖尿病の発症を抑えられる。(グレードA)

糖尿病のセルフマネージメント教育

・糖尿病を自己管理が必要な病気だ。全ての患者は、糖尿病のセルフマネージメントに関するサポート(DSMS)を受けられるようにすべきだ。(グレードB)

 

 

低炭水化物食だけがHbA1cを有意に改善   N Engl J Med 2008; 359:229-241

イスラエルのBMI27以上の肥満者、2型糖尿病患者、冠動脈疾患患者、合計322人(男性86%)

(1)低脂肪食(カロリー制限あり)

(2)オリーブ油たっぷりの地中海食(カロリー制限あり)

(3)低炭水化物食(カロリー制限なし)

3群を2年間経過観察。低炭水化物食が最も体重減少し、HDL-Cも増加。36名の糖尿病患者において、カロリー制限なしのハンディがあったにも関わらず、低炭水化物食群だけはHbA1cが改善したとのことです。

赤 低脂肪食 橙 地中海食 紫 糖質制限食

でも、長続きしないので、みんな体重が戻ってきてしまいます。